アルバイトに10万円持ち逃げされるお話
以前、とある事業所にいた時。
アルバイトの男の子(当時20歳位、仮にY君としましょう。)に、仕事終わりに、唐突に切り出されます。
Y「お金貸してもらえませんか?」
その子は仕事は早いし、性格も真面目(に見えた)。
しかしまだ雇ってから2か月ほどと日が浅く、なんでお金が欲しいのか聞いてみると、
Y「友達とどうしてもディズニーに行ってみたいんです。」とのこと。
ディズニーねえ…俺も行ったことないけど…若い時に友達と遊ぶのは貴重な思い出だしなあ…と少し悩みましたが、お金を貸すことに。
その場で2万円を渡すと、
Y「ありがとうございます!必ず返します!」
と、感謝しながら帰って行きました。
そして一週間後…再び、
Y「ディズニー行くんでお金貸してもらえませんか?」
…え?君先週行ったばっかりじゃん。早すぎじゃない?と苦言を呈すも、
Y「今度は違う友達となんです。」
友達と~って言われると弱いんだよなあ…今回だけだぞ、と、
再び2万を手渡します。
そしてそこから、一週間おきに、2万円せびられ、貸し、ついに5回目。
Y「お金貸してもらえませんか?」
今日貸せば累計10万円。さすがに遊びで使う金額を超えている。
私「もう無理!もう8万貸してるよ?返す気あるの?」
Y「返しますよ!必ず!これで最後ですから!お願いします!」
本来なら8万円貸してる時点でアウトなんですが、どうしても普段一生懸命働く姿がよぎります。
私「…これで本当に最後、2万円。累計で10万円。必ず返してくれよ。10万稼ぐのがどれだけ大変かわかるよね?」
Y「ありがとうございます!もちろん返します!給料入ったら必ず!」
自己嫌悪になりながら帰宅し、数日たったある日…
Yが仕事に来ない…携帯も繋がらない。
家に電話して親御さんに聞く。
私「Y君が出社してないんですが?」
親「子供のことは分からないんで~」
おまえが分からなくて誰が分かるんだよ…ため息をつきながら電話を切る。
この時点で嫌な予感は感じていました。
そして的中します。
Yはこの日から二度と出社しませんでした。
当然10万円は帰ってきませんでした。
この一件から、私が人にお金を貸すことはなくなりました。
10万円の授業料を払ったんだと、自分を納得させています。
今からでも返してくんないかな…